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第538回 「和」



福井新聞、fuに掲載されました、さくら さくら。
今回は器に飾られたデザート。といった趣旨の旨、取材を受けたのですが、質問の内容の中で「何故このお菓子を器に入れて仕上げたのですか?」ということ。

あー、そうですね。。。

正直言って戸惑いながらも、
「和の食材ならばやはり陶器がしっくりくるから。それからジュレといったやわらかなテクスチャーが必然的に器というスタイルでなくてはならないでしょう?でもプラスティックのカップでは味気ないと思いますしね、、、」

何気ない質問に気付かされることってありますよね。今回は正にそれ。

かの有名な北大路魯山人。陶芸家。美食家。なにも自分と偉大な人物を投影するほど野暮な事は言いませんが、無意識で取り組んでいた事になります。和テイストのお菓子に陶器。

ここから話は少し脱線しますが、和食について。

和食って「油脂」を足さないのが基本?だと解釈してます。
素材本来が持つもの。お魚料理はそうですね。でも洋食のように、焼き魚にしてもバターを加えたり、オリーブオイルを足したりではなくては、出汁で旨味を引き出したり、塩焼きひとつとっても素材本来の美味しさを引き出す調理法を、技術を持っている。

最近めったにお目にかかれない、うどん屋さんのカレーうどん。
うどん出汁ベースにカレー粉ととろみをつけた、カレーだしのやつ。今時のやつはカレールゥにうどんが放りこんであるだけのなんちゃってが多いのでさみしい限り。
それだけ丁寧な仕事をするお店が減ったのか知らないだけかはさておき、味噌汁作る時にお湯に味噌だけ溶いた塩辛いだけのものと、出汁をとったものに味噌を加えるものとの違い⁈全然たとえ話になってませんね。
つまり現代の食はいかに油にまみれているかという事実、それがいかに過度かということ。

自分自身、ケーキをつくっている中で思う事。むしろ今現在興味がある事なんですが、和菓子に注目してます。

甘い。のひと言で敬遠されがちな和菓子ですが、以外にも油脂を使わないんですよね。

米、小豆。主力材料はこんな感じでしょうか?もちろんひと言で米と言いましたがそれらを細かく分類すれば果てしないですが。
焼くというよりも「蒸す」といった工程が多いのではないでしょうか。米のでんぷん質をα化させるプロセスにおいて必然不可欠な工程ですから。
餡子は糖度がないと日持ちしない、つまり油脂が少ない和菓子では糖分がひとつの保存条件ではなくてはならない存在。

ケーキ、洋菓子においてはバターを始め、生クリーム、玉子(主に卵黄)、結構な量ですね。。。



フレジェ

クラシックスタイルではカスタードクリーム、バタークリームのミックスされたクレムーレジェール。
今現在展開しているフレジェは、カスタードクリーム、ゼラチン、低脂肪のフレッシュクリーム。
油脂で固めるクラシックスタイルとは違い、よりさっぱり、それでいてもっと食べたいと思えるようなクリームを目指した仕上がり。適度な酸味のさちのかいちごと、バレンシアアーモンドリッチなソフトビスキュイの組み合わせが個人的にもお気に入りのお菓子です。
過度な油脂を削除した結果、バニラの香りがより引き立ち、甘味を控えても甘い香りのバニラが満足感を与えてくれる。それでいて素材本来の美味しさ、ここではいちごとアーモンドですね。



いちごとピスタチオのタルトに使用している「クレムブリュレ ピスターシュ」ですが、実は焼いてません。
焼成に必要な卵黄を減らして、ピスタチオの香りと味わいを楽しめるように、寒天由来の凝固剤を加えて炊き上げた、アングレーズクリームの製法を採用します。食感は正にクレムブリュレですので問題ないですからね。

自分でこんなにお菓子を否定的につらつら書いてしまいましたが、結局のところは

自分自身、日本人。
食べるひとも日本人。
自分らしさと、日本人らしさ。
さらにいえば素晴らしい和食文化に最大の敬意を表して、今後のお菓子をつくっていきたいのです。

もちろんまだまだ伝えるべきことはたくさんありますが、今回はこの辺で。
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第537回 バウムリンデ



ドイツ伝統菓子のひとつで、年輪型で焼き上げるバウムクーヘンと違い、スクエア状に焼き上げるバウムシュニッテン、バウムリンデ、、、恥ずかしい話、この辺りの定義についてハッキリ「これ」とは説明できませんが、シート状に焼き上げた生地とローマジパンをサンドして積み上げる。といった内容みたいです(´・Д・)」



生地はバターとローマジパンをビーターでミキシングして泡立て、卵黄を加えて。メレンゲと混ぜ合わせる別立て製法。レモンパウダー、シナモンパウダーも生地に練り込みました。



分割焼成は少し厚めに延ばして、高温のオーブンでサッと焼き上げます。

ローマジパンサンドではなくて、アプリコットジャムをサンド。

セミドライアプリコットとアプリコットピューレを炊き上げた自家製。アーモンドのオードヴィを加えて香りを補強してます。

生地とジャムをサンドして、ミルクチョコ、アーモンドオードヴィのグラスでコーティングして完成。

なのですが、店頭に並べてもあっと言う間に無くなってしまい(・_・;

もちろんレギュラー販売の焼き菓子優先なので次に店頭に並べられるのはいつになるかわからない。といった状況。
すいません。
でもきちんと情報を、お菓子の内容とかきちんと公開することも大切な作業だと思ってますから、簡単ですけどこんなお菓子もつくってますv( ̄ー ̄)v

第537回 バウムリンデ



ドイツ伝統菓子のひとつで、年輪型で焼き上げるバウムクーヘンと違い、スクエア状に焼き上げるバウムシュニッテン、バウムリンデ、、、恥ずかしい話、この辺りの定義についてハッキリ「これ」とは説明できませんが、シート状に焼き上げた生地とローマジパンをサンドして積み上げる。といった内容みたいです(´・Д・)」



生地はバターとローマジパンをビーターでミキシングして泡立て、卵黄を加えて。メレンゲと混ぜ合わせる別立て製法。レモンパウダー、シナモンパウダーも生地に練り込みました。



分割焼成は少し厚めに延ばして、高温のオーブンでサッと焼き上げます。

ローマジパンサンドではなくて、アプリコットジャムをサンド。

セミドライアプリコットとアプリコットピューレを炊き上げた自家製。アーモンドのオードヴィを加えて香りを補強してます。

生地とジャムをサンドして、ミルクチョコ、アーモンドオードヴィのグラスでコーティングして完成。

なのですが、店頭に並べてもあっと言う間に無くなってしまい(・_・;

もちろんレギュラー販売の焼き菓子優先なので次に店頭に並べられるのはいつになるかわからない。といった状況。
すいません。
でもきちんと情報を、お菓子の内容とかきちんと公開することも大切な作業だと思ってますから、簡単ですけどこんなお菓子もつくってます

第537回 バウムリンデ



ドイツ伝統菓子のひとつで、年輪型で焼き上げるバウムクーヘンと違い、スクエア状に焼き上げるバウムシュニッテン、バウムリンデ、、、恥ずかしい話、この辺りの定義についてハッキリ「これ」とは説明できませんが、シート状に焼き上げた生地とローマジパンをサンドして積み上げる。といった内容みたいです(´・Д・)」



生地はバターとローマジパンをビーターでミキシングして泡立て、卵黄を加えて。メレンゲと混ぜ合わせる別立て製法。レモンパウダー、シナモンパウダーも生地に練り込みました。



分割焼成は少し厚めに延ばして、高温のオーブンでサッと焼き上げます。

ローマジパンサンドではなくて、アプリコットジャムをサンド。

セミドライアプリコットとアプリコットピューレを炊き上げた自家製。アーモンドのオードヴィを加えて香りを補強してます。

生地とジャムをサンドして、ミルクチョコ、アーモンドオードヴィのグラスでコーティングして完成。

なのですが、店頭に並べてもあっと言う間に無くなってしまい(・_・;

もちろんレギュラー販売の焼き菓子優先なので次に店頭に並べられるのはいつになるかわからない。といった状況。
すいません。
でもきちんと情報を、お菓子の内容とかきちんと公開することも大切な作業だと思ってますから、簡単ですけどこんなお菓子もつくってます

第536回 焼く。



ポンポネット

「ポンポネット」 とは
フランス語で 「小さくて丸い」「ふっくらした」 という意味。

そのような形で焼かれた焼き菓子を
「ポンポネット」 と呼びます

ベースの生地はフィナンシェと思ってください。



フィナンシェといえば焦がしバター。
修業時代に焦がしバターについても本当いろんな考えやこだわりを見聞きして、その人に合わせて焦がし具合を調整するのが大変だった記憶がありますけど。

見聞きして、と書きましたけど実際は一言「これぐらい」の一言で終わり。
論理派?の自分にとっては納得し難い場面も多々ありましたが、、、
結局のところ、自分が美味しいと思ったとおりに調理するのがベストなんでしょうね。焦がし加減はほんのり香ばしさが鼻に抜けるぐらい。色合いとか考えずに、「食欲をそそる香り」ということが重要。

このお菓子は結構濃厚さがあるので、あえてひとくちサイズに。
アーモンドスライスを添えたものはバレンシアアーモンドのフィナンシェアマンド。
ヘーゼルナッツの荒刻みを添えたものはフィナンシェノワゼット。



よもや「薬草くさい」と表現される、ヘーゼルナッツですが、低音のオーブンでローストしてあげることで、生臭い、薬草くささも抜けて、独特な風味が楽しめるのです。あくまで個人的な意見で、皮付きのヘーゼルナッツパウダーの場合は特に一旦ローストしてから使うようにしています。

おかげさまで焼き菓子も高い評価をいただいておりますが、「何度で何分」にとらわれがちなお菓子の焼き方ではなくて、きちんと焼き上がりを見極める、料理する。にこだわりを持って取り組むことが大切だと思い、続けてきた結果だと思います。


焼く。
シンプルな作業ですが、それ故に誤魔化しの効かないハードな仕事ですね

第535回 コンフィチュールを炊いて



紅茶ミルクジャム

ホワイトデー関連でしょうか、次々と店頭から姿を消していくコンフィチュールたち。

今日はお店はクローズでしたが、独り黙々とクッキーの焼成、そしてコンフィチュールを仕込んでました。



紅茶はミルクティ向けのダージリンを。
お湯で煮出してさらに牛乳を加えて一煮立ち。蒸らしてから茶葉を濾して、フレッシュクリームとグラニュー糖、ペクチンを加えて炊き上げていきます。

オススメの食べ方。
スコーンでしょうね、やっぱり。
そういえば福井でスコーン販売してるところってあまり見かけないような気がする。。。しっとりみずみずしい、が好きな県民性にはそぐわないせいでしょうか?

実はコンフィチュールは手、つまりはガスコンロで鍋に入れて炊く訳ではなくて、真空加熱という特殊な調理方法で仕込んでいます。

減圧(つまり真空状態)での沸点は100℃を下回り、マイナス980mbという数値では58℃で沸騰状態となる訳です。

要するに加熱によりフルーツジャムの場合、色合いが悪くなる。煮詰めていくことで糖褐変する。ミルクジャムでも同様に、キャラメルみたいに色がついてしまう。

お菓子はある程度の理屈に沿っていけばきちんとしたものが出来ます。
そういった意味では対して難しくなかったり。
ただ、お菓子も食べ物なので、いかに「調理」するかはやはりつくりての感性が問われるところ。



いちごとバルサミコビネガーのコンフィチュール

完全に料理人の発想で炊き上げたジャムであるか。なんていうのも楽しんでもらえたら嬉しいです

第534回



レモンとホワイトチョコのパウンドケーキ

レモンの果皮をたっぷり加えて香り付けたケイクです。

クレームエペスの発酵乳が醸すほのかな酸味、味わいの奥深さを強調するために加えるダークラム。バターも加えますが、ヘーゼルナッツオイルを加えることでよりソフトな食感を得ることができます。

ホワイトチョコレートをテンパリングしてコーティング。さらにレモンチョコを上からコーティングしてミルキーな甘さとの対比を楽しめる仕掛けも。

飾りに添えた輪切りのレモンコンフィ。
これも自家製です。



輪切りにしたレモンを並べて、真空加熱処理。
その後、シロップに浸し、真空にて再び加熱して炊き上げます。



「生む苦しみ」
なのか、
「捨てる勇気」
なのか、
むしろ、無骨にひたすら対峙することなのか。

いろんなお菓子をつくりながら思うこと。
駆け引きよりむしろ
とことん追求してやろう。
自分のエゴを、自我を。
そこから新しい何かが生まれる。
愉しんでもらえる、そんなお菓子をつくり続けたいでのです。
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手づくり菓子工房 ペルシュ

Author:手づくり菓子工房 ペルシュ
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