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第631回 お菓子教室2016

今年第1回目を飾るテーマはエクレア



何故か安価な立ち位置のお菓子として確立されてしまっていますが、いろんな重要なお菓子づくりの基本が詰まっています。



生地の練り上げ、卵を加える意味合い



生地を垂らして三角に。ではない、それ以上の深い見極め



固めの生地(奥側)、柔らかく仕上げた生地(手前)との違いも焼成を通じて説明します





生地の絞り出し





カスタードクリームの炊き上げも行います。

今回のお教室の最大のキモは、糊化、グルテン形成です。

詳細についての明言はあえて参加者さまの特典として伏せておきますが、強いて言えば、しっかりと練り上げ、お餅のようなシュー生地に仕上げることです。

カスタードクリームにおいても同様に、糊化。すなわちα化をさせてあげるというオペレーションに意識を向けることにつきます。



エクレア2種。カスタードクリームは、バニラ(ナチュール)とショコラ。




‪プロが教えるエクレアのつくり方 ‬

ペルシュチャンネルにて公開中。ご確認くださいね。


今回もありがとうございました。

ゆっくりとていねいに教示したいです。今年度お菓子教室は5月、6月それぞれ1回づつ開催を予定しています。みなさまのご参加お待ちしております!
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第630回 表明

ペルシュタイムズでの企画のひとつ、伝統工芸などにスポットを当てる。この取り組み自体は、同じモノづくりを行う立場にあるボクにとっても重要なテーマ。少しでも目を向けて欲しい、素晴らしい日本の文化。ボク自身、すごく勉強になるのです。

地元鯖江の伝統工芸、漆器が今回のテーマ。

古典柄の漆器椀、日月椀からインスピレーションを落とし込んで仕上げたふたつの菓子。

日月椀についてはこちらからご確認くださいね





day&night
陽の光、月明かり。


撮影用にしつらえたそれら(最初に登場したふたつのお菓子)、実際に販売向けに落とし込んだふたつのプティガトー。
詳細はペルシュタイムズ誌面でのみ公開しております。悪しからず御了承下さい。


アグリュムピスターシュ
あくまで、陽の光は穏やかに感じるそれである必要があるので、マンダリンイエローをモチーフに。
新緑。待ち焦がれた春の息吹に芽を出す若草色にピスタチオグリーンを重ねて。


アグリュムピスターシュの詳細はこちらへ


フォレブラン

月明かりは凛とした、闇夜でも輝く光を放つそれをイメージしたのです。
暗転。とも取れる、黒い森ならぬ白い森。まるで皆既日食のような錯覚も長い夜の闇では見落としてしまうかもしれません。夜明けに気をとられ、月の変わらぬ輝きを見逃してしまいがち。

昼も夜も。一緒ではなくとも、かけがえのない輝きを放っている。
そう思えるのです。繰り返す昼夜を幾度と越えて、ようやくたどり着くのだと思います。

難しくも感じますが、いたって単純なコンセプトとも言えます。
ひとつひとつ、ていねいに向き合っていきたい。ペルシュタイムズのひとつの企画。と言ってしまえばそれまでですが、それ以上をきっちりと表現していきたいのです。。

フォレブランの詳細はこちらから




つい最近の話なのですが、乳の確保がさらに難しくなる。そんな現状にまたしても直面してしまいました。

明言こそあえて避けますが、やはり利権というのがついてまわっている。それは間違いないです。

活きてはいないが、乳酸菌を用いた商品だとうたえますよ。などという、ムダにしか感じられない定義付けを売り込む。。
昔ながらのプロセスできちんと作れば、菌なんて自然に付くのに。
なぜそんなものを取って付けたように健康志向に組み込まなくてはならなくなったのか?
食べる。という、いちばんシンプルな欲求にまで自己防衛のための術や、利権がついて回るのか?
本当に、ホントに、辛くなりました。

自然食品が流行る。ということ自体に憤りを覚えます。。
こんな環境下でこれから自分が目指してきた、理想として掲げてきたものが脆くも崩れそうになります。

ボク自身も、利益を出さなければいけない立場であるのも事実。それ以上に自分が大切にしてきた想いを、利益よりも優先してきただけに。というのが正直なところです。

今後はココで自分の想いとか、そういう定義付けは差し控えておこうと思っています。
重い話ばかりでは、やっぱり楽しい。っていうケーキの根底を揺るがしてしまわないか?と思うからです。

最近バターについての裏事情もようやくおもてに出てくるようになりましたね。こちらクリックしてください。リンク飛びます



かといって、ブログ閉鎖。というわけでもありませんのでご安心を。
イベント情報などは引き続きここから発信しますのでお楽しみに\( ˆoˆ )







‪A Perfect Circle - The Noose - Stone and Echo Live at Red Rocks‬

俗に言う、成功者に対しての裏側をえぐるリリック。
成し得た成功はあたかも自分独りのチカラだと勘違いしている。
いわゆる自分至上主義。そんな輩がウヨウヨしている。
そんな輩に対しての妬みも嫉妬も感じないが、どうやって落とし前を付けるのか?
それを見届けたい。栄光を引きずり落とすつもりはないが。。

この曲中で歌われている内容をざっくりと記載してみました。。

こうやって自分の趣味的要素でyoutubeリンクを貼り付けてきたようにも見受けられて当然ですが、ほぼ毎回、必ずブログ記事に対してのテーマに沿った選曲である。一応、このことについても併せてお知らせしておきたく思います。。
今回であれば、商業至上主義者に対しての小さな反逆心。といったところでしょうかね。。




629回 ペルシュタイムズ編集後期

旧宮崎村、越前焼で有名な、陶芸村の一角に工房を構える、陶房「遙」さん。

おもいでのスイーツ
陶芸家、吉田夫妻にお逢いして、お話を伺ったうえで、その方から感じた「何かを」具現化する。という企画のおもいでのスイーツも今回で二回目です。


梁の見える高い天井が印象的な平屋建て。ギャラリーに足を踏み入れると、整然と焼き物が棚に並べられています。それらはあえて横目に、吉田夫妻の今の仕事に就いたきっかけ、夫婦の馴れ初めについて質問を。

もともと、デザイン関係の仕事を志し、東京へ上京した信介さん。
今の奥さまとは上京中に吉田信介さんは東京で陶芸スクールの先生(アシスタント)でした。奥さんはそこに通われていた生徒さんでした。お二人の間柄はその時から、今日に至るそうで。

家庭の事情もあり、帰福を余儀なくされたそうですが、思い立ったように陶芸村へと。
確たる自信。などというのはむしろ皆無。ボク自身、確たるものはイマイチ無くて、どうなるのかはある意味成り行き任せな部分も少なからずありましたから。。

越前瓦の会社を経て、現職に。
他人と違うもの。ということもあって、四角いフラットな焼き物を如何に綺麗に焼き上げることができるのか?という試行錯誤の日々。無駄を削ぎ落として出来上がる美徳。というお話しが印象的でした。

そしてより印象的なことが、この技術をどのように継承していくか?といったところ。
皆一様に、残すべき「伝統」に向き合うか?

馴れ初めは、ボクは正直干渉したく無いところもあったので(当人たちの紡ぐ歴史ですからね) ふむふむ。と、聞いてました(^^;;




仮にどのようなお話からインスピレーションを受けたとしても、「焼く」というオペレートになるのは必然。だと思っていましたが、四角いフラットな、美しい直線のフォルム。


先ずはココをどう表現するか?吉田さんの、陶芸家として譲れないポリシーをどの様に落とし込むか?

パイ生地、シュー生地を用いて。
生地の仕込み、成形、焼成方法で、如何様にも表情が変わるふたつの生地をケーキの土台に。
練りパイ生地の、パートブリゼを延ばしてカットしたところに、シュー生地を絞り出します。



焼物の「釉薬」とも言える、塗り玉、ドリュールを塗って焼成。
オーブンの設定は、菓子を焼く時には高めの200度で。陶芸用の窯はさらに高温の1000度超え。


あえてパイ生地に空気穴を開ける作業の、ピケは行わず、生地が温度と共に膨らむ様を成り行きに任せます。




フロランタンの焼成も、同じように温度や湿度によって微妙な変化を見せる(当然ですが、年間通じて焼き上げますから季節毎で表情も変わるのがわかります) ナッツの表情、芳ばしい香り。





焼くことで生まれる美徳とも言えるそれを、焼き上がり直ぐに切り分けて丸く整形。決して完璧にならない「円」は、終わりの無い探究心を表現しました。

土台には、大地の香りのニュアンスを纏ったチョコレートを。

大地に根を張り、実りをもたらす。特にその味わいがはっきりと伝わるチョコレート、そしてコーヒーを。

焼き上げた土台のシュー部分にチョコレートのカスタードクリームを詰めて





円のところに添えたのはホワイトチョコレートのなめらかなクリームを。
ビジュアルのインパクトが色濃く反映されましたが、陶芸も食も、大地の恵みあって成り立つ。そんな想いを込めてみました。



失敗して壊れたフロランタン。
失敗の積み重ね。やっぱり一度では上手くできないのも新しい挑戦ではつきものですね。


円は縁としても。
全体的に焼いたお菓子で構築された中に、ポンと置かれた白には、無垢なるココロ。そしてこれから育っていく、次世代への純粋な祈り。決して純白ではなく、どのような色に成るであろうか?という意味合いも込めて。






今回ここではあえてこの画像をセレクトしました。

立会いというか、この企画に興味を抱いてくれた、辻夫妻です。

前回の久保田さまファミリーの時同様に、お菓子を持って行って立会いする。
それは避けました。

共有するのは、あくまで家族です。
ボク達の仕事は、つなげることなのです。
寄り添うことは、それぞれが共有して囲む、ひとつのそれなのです。
そこまででイイのです。役目は果たせているのです。







‪Pearl Jam - The End‬

世の中の不正と戦い続けてきた、最も尊敬してやまない。

この曲。
前半では人生の歩みについて語っています。
かつて夢見たことや、変わっていく環境の波に自分が飲み込まれてしまっていること。
ただ歳を重ねていきたいだけなのに。。
後半では自分が病に伏し、終わりが近づいている。
遺していくそれらを嘆く。
そのことについてなのですが。

全力です。常に。
それだけでいいのです。




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Author:手づくり菓子工房 ペルシュ
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