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第599回 夏休み自由研究 後編

お隣石川県、金沢市東山。観光地としても有名なエリアだそうで、小京都としても人気のあるエリアだそうです。少し路地に入り込んだところに暖簾を構える、吉はし



今回はこちらにお邪魔して、いろいろなお話を伺いに、対談形式で意見交換してきました。

前回のブログ更新でお話した内容そのままに、質問を投げかけていく。それに対しての返答。というのが流れの基本スタイルでした。


最初に話したのが

和菓子の伝統と歴史


そもそも和菓子は茶道に寄り添って発展を遂げてきた側面があるそうです

和菓子に求められてきたことと言えば、茶会の主の作り出すイメージに寄り添うこと。例えば、紅葉が描かれた掛け軸がある茶席には紅葉の菓子は必要なく、それとは別の秋を表現することが求められてきたことである。



和菓子、洋菓子の歴史的背景


洋の世界においては、かのアントナンカレームに遡ります。

カレームがフランス料理に与えた影響は幅広い。例えば、彼はフランス料理のコックのかぶる帽子や新たな鍋などを考案している。またカレームは、ソースをベースとなるソースによって全てのソースを4つの基本ソース(ソース・アルマンド、ソース・ベシャメル、ソース・エスパニョール、ソース・ヴルーテ)に基づき分類した事でも知られている。また、カレームによる新しいフランス料理は帝政ロシアの上流階級の食文化にも影響を与えた。

ピエスモンテ(Pièce montée)によってパリで名声を得る。ピエスモンテとは、全て食品(砂糖、マジパンと焼き菓子など)からできており、これらの素材を用いて建築物のように積み上げた精巧かつ装飾的な意味合いの濃厚なもの。これらを確立したのもカレーム。コック帽を考案したのもカレームだそうです。

その後、オーギュストエスコフィエ、ヌーヴェルキュイジーヌの世界へと進み、現在に至る訳ですが、フランスの料理の発展を紐解いていくと宮廷料理が根底にあるようで、リッチな味わいが求められてきたことも多いに関係するのでは?と、推測する訳です。

洋の歴史において欠かすことのできなかった、酪農。家畜を育て乳を絞り、加工する。チーズ、バターなどが代表的。玉子を使用すること自体、家畜として飼われていた鶏が居たから。
パウンドケーキなどの焼き菓子からも玉子、バターが欠かせません。

和の歴史において欠かすことのできなかった、農耕。米をはじめ、大豆、小豆、穀物。
玉子を使うこともほとんどないなのも和菓子特有のようです。穀物と糖を上手く使いこなし、過度に素材を組み合わせることなくお菓子に仕上げていくのです。
食文化の大きく異なる発展の裏では宗教的背景 (特に日本では禅宗) も加わり、奥深い文化的背景と共に発展を遂げてきたようです

吉橋さんに参考までにどうぞ。と、和菓子の作品集なるものを拝見させていただきましたが、和菓子のスタイリングって北大路魯山人の、器に料理を盛り込んでいるそれとも錯覚を覚えるくらい、むしろ自分が無知すぎるのでしょうが。

今年に入りナッツ類の価格高騰に歯止めがかかりませんが、実はボク自身、国産のナッツで何か適しているものがないかといろいろ探してみたのです。
とんでもなく高価な国産くるみや松の実ぐらいで、大豆、小豆はアーモンド、ヘーゼルナッツに相当する油脂分も含まれておらず、やはり日本の食材では西洋のお菓子と同じような味わいを生み出せなかった。などといった話もしました。



和菓子をカジュアルに愉しむ

今日、私たちが口にする和菓子といえば桜餅、柏餅、水饅頭。上生菓子ともなれば滅多に口にする機会も無いのが現状かもしれません。
和菓子が敬遠されている。といった話をケーキ屋としてよく耳にしますが、伝統と歴史。が、かえって若い世代にとってある種のハードルになってしまっているのでしょうか?
和菓子の世界では切っても切れない茶道を現在習っていますよ。と、吉橋さん。カジュアルとは言えないかもしれませんが、和菓子に興味を抱いていただければどのようなきっかけでも全く問題ないかと思います。ボクは茶道習いたいですが




今、お菓子に求められること

上生菓子、ケーキ、両方に共通することとして、甘さ控えめであるということ。

保存性。として糖分が欠かすことのできない要素であることは周知の?事実。
特に和菓子においての糖分を控えるということは、日持ちが極端に落ちるという諸刃の剣のようなもので。
それと食材が一番美味しく感じられるベストな糖度。ここにも密接な関係性が生じるそうです。

9月からは栗のお菓子で忙しくなるそうで、鬼殻付きの栗を蒸して一個一個実をほじり出す作業に追われるそうですが。
ペルシュでも9月から旬を迎えるモンブラン。宮崎県西郷村の和栗を現地収穫、加工をしていただき、糖度49度に仕上げていただきますが、吉はしさんでも同様に糖度50度に仕上げるのだそう。

キーワードになる言葉なので、何度か登場するのですが
素材そのものを味わうものが和菓子
素材を主役に組み立てていくのがケーキ

ボクは素材そのものをしっかり打ち出せる和菓子に憧れ
吉はしさんは素材の複合体として組み立てていく洋菓子に羨望を

何とも不思議な拮抗。とでも表現すべきなのでしょうか?
お互いが不足していると顕著に感じ取っている部分だと認識しているのも何とも面白いなと。

今回の対談を前に事前に伺っていた、9月から栗で忙しくなる。ということと、取り組みきれなかった仕事のひとつとして



マロングラッセ

これをつくって持参したのです。

まぁ、恥ずかしい。和菓子屋さんにお見せするにしては少々乱雑

製法もスチーム (蒸す)、茹でる、で栗を調理、シロップで炊き込む。という二種類のプロセスで仕上げてみました。

蒸すことにこだわったのは、和菓子屋さんが蒸すという作業が多いので一度試してみたい。ということと、蒸すことに関して言えば洋菓子の世界ではあまり馴染みのない調理法だから。というふたつの理由からです。

低温で蒸すと、栗の中心部まで柔らかくなりにくい。加えてその後シロップで炊き込んで蜜を栗にしっかりと浸透させなければならない。ということ。この2点を踏まえると少々難ありな結果になってしまいました。

茹でるとやはり栗はボロボロに煮崩れてしまいますが、糖の浸透はすんなりと。といった結果になりました。

和菓子屋さんの蒸す。という工程って、澱粉の糖化。糊化。穀物類などを主役に餡を炊き上げることが主体。
糊化。つまりα化で大事な温度帯は米なら90度。栗なら70度。でんぷん質が甘味に変化するところ。
昔の方が化学的にこの温度帯を理解していたかどうかはさておき、一番美味しい調理法であることを発見していたのは間違いないんでしょうね。

素材の調理法で、和菓子屋さんの世界では100度を超えない。
これもまた対談の中で再認識できた事実。

だからこそデリケートな、繊細な味わいであるのも和菓子の魅力なのかも知れませんね。

糖。ここにも和菓子の魅力が。
氷砂糖などの純度の高い糖で仕上げたお菓子。氷菓とも表現される、切れ味の良い口どけ、甘味のキレ。


前々から興味のある、氷砂糖での果実の糖菓子 (要するにフルーツコンフィ) への取り組みに対してもさらに意欲的になりましたね。
もちろんマロングラッセに関しても同様ですが、糖を選ぶ。といった観点からも怠ることなく吟味していきたいものです。




和菓子屋として今後取り組んでいきたいこと

豆半

言うなれば、吉はしさんのカジュアルライン。とでもいうべきでしょうか?



訪問の際、お茶請けに頂いた、麦羊羹。
石川ではわりとポピュラーなお菓子だそうで、大麦を主体にはったい粉などを加えて炊き上げていくのだそう。微妙に変化していく食感の変化が楽しい羊羹。もちろんデリケートな甘さと麦の香りが広がる味わいでした。冷たい麦茶と一緒にがオススメですね



こちらの商品も豆半の商品のひとつ。多少日持ちもするものを中心に、当日は並んでなかったどら焼きなどもラインナップとして加わっております。


結局のところ、今まで贔屓頂いたお客様を差し置いて、観光のついでに立ち寄られる方のために上生菓子を並べたくはない。というのが吉はしさんのご意向。
ただ全く何もない。というのもさみしい話なので、気軽に持ち運べるものを無理なく販売できれば。というお考えのようです。

不思議なもので和の趣漂う風情に足を踏み入れることで少々ノスタルジックな気持ちになり、和の味わいを求めたい。という気持ちになるのもすごくよくわかる気がしますけどね。


前述の通り、日持ちのしない上生菓子(賞味期限としては当日のみ)をいい加減な気持ちで食べて欲しくないというアツい想いを感じ取れたのも事実です。


的を得ない話ばかりつらつらと書きなぐってしまいましたが

みなさんの期待されるような和菓子とのコラボ商品が生まれるのか?
という期待からは大きく肩透かしを。。という結果です

和の奥深い世界観を知り、それをどのように昇華させていくのか?というのが今回の大きなテーマなのです。

和の食材を取り入れてケーキに仕立てる。そうそう珍しいですことでもありません。むしろ和菓子屋さんが洋菓子の世界に寄り添って来られている方が最近の風潮ですが。

製法を知ること、食材を知ること。それよりむしろ和菓子が歩んできた歴史にいかに敬意を称し、これからの日本人にとって伝えていくべきことであったり。それよりも日本人がつくるケーキ、それは同じ日本人が食することでしっかりと得ることの出来得る満足度に仕上げられるのかどうか?ということに他なりません。



対談を終え、記念撮影。
吉橋さんから
Blog読みました。filter、すげー懐かしかったです。
spawnのサントラでしたよね?あの曲入ってたの?
とういうれしい質問

そうです、あれ、ミクスチャーがすっごく流行った時期ですよね。違うジャンルが入り混じって新しいスタイルが誕生した時代でもありますよね。Blogにはいつもその時々の想いを反映したリンク貼り付けて勝手に遊んでるんです。別に伝わるかどうかは別問題にして

なんか変なところで共感できたのも妙に嬉しかったです。

吉橋さんとは同じ年代。ということもあり実現した今回の対談。
いずれまた何かしらのカタチでご一緒できることを楽しみにしております。

なお、吉はしさんの気になるお菓子はインスタグラム、#吉はしで閲覧可能です。よろしければご覧くださいね

今回は



System Of A Down - Chop Suey!

コレだ!!

オルタナ突っ走ってるし!!




翌日、塩善茶舗さんへ

日本茶嗜んできました。





数種類のお茶の試飲。

竹内さんに吉はしさんに伺った時のおはなしをしたり、お茶の一煎、二煎の感想を僭越過ぎるまでに語ると

お茶ってほんとシンプルなんですよ。だからごまかしが効かない。いろんな食材を組み合わせて次々商品をつくるケーキ屋さんってすごいと思いますよ。

同じこと言ってる。吉はしさんと同じこと言ってる。。

日本茶と一緒にお茶請けに提供するお菓子を考え中です。

実はハーモニーホールで晩秋11月に塩善さんと一緒にブンカさろん出店します。

演奏会、ティータイム。という二部構成の定期演奏会だそうで、たまたま次号ペルシュタイムズの記事構成を考えていた時に舞い込んできたお話。

ご縁を感じずにはいられません。

どうしようか?お茶に寄り添っていくか?むしろそうあるべきか?

などと早速和を実際具現化する絶好の機会に恵まれちゃってます

そして豪華?2本目のツベ



Marilyn Manson - Long Hard Road Out Of Hell

spawnサントラアルバムからです!




軒先の鷺草。秋を感じますね。

ホント、自分のテキストをまとめるチカラのなさ。酷いもんだと思いました(^^;;
長文ながら、結構要約に努めてもみたのですが、あんな話もしたよな。こんなこと補足したほうがいいのかな?などといつにも増してグッダグダです。。。

前号の記事と今一度照らし合わせてお読みいただければ。是幸いです
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