629回 ペルシュタイムズ編集後期

旧宮崎村、越前焼で有名な、陶芸村の一角に工房を構える、陶房「遙」さん。

おもいでのスイーツ
陶芸家、吉田夫妻にお逢いして、お話を伺ったうえで、その方から感じた「何かを」具現化する。という企画のおもいでのスイーツも今回で二回目です。


梁の見える高い天井が印象的な平屋建て。ギャラリーに足を踏み入れると、整然と焼き物が棚に並べられています。それらはあえて横目に、吉田夫妻の今の仕事に就いたきっかけ、夫婦の馴れ初めについて質問を。

もともと、デザイン関係の仕事を志し、東京へ上京した信介さん。
今の奥さまとは上京中に吉田信介さんは東京で陶芸スクールの先生(アシスタント)でした。奥さんはそこに通われていた生徒さんでした。お二人の間柄はその時から、今日に至るそうで。

家庭の事情もあり、帰福を余儀なくされたそうですが、思い立ったように陶芸村へと。
確たる自信。などというのはむしろ皆無。ボク自身、確たるものはイマイチ無くて、どうなるのかはある意味成り行き任せな部分も少なからずありましたから。。

越前瓦の会社を経て、現職に。
他人と違うもの。ということもあって、四角いフラットな焼き物を如何に綺麗に焼き上げることができるのか?という試行錯誤の日々。無駄を削ぎ落として出来上がる美徳。というお話しが印象的でした。

そしてより印象的なことが、この技術をどのように継承していくか?といったところ。
皆一様に、残すべき「伝統」に向き合うか?

馴れ初めは、ボクは正直干渉したく無いところもあったので(当人たちの紡ぐ歴史ですからね) ふむふむ。と、聞いてました(^^;;




仮にどのようなお話からインスピレーションを受けたとしても、「焼く」というオペレートになるのは必然。だと思っていましたが、四角いフラットな、美しい直線のフォルム。


先ずはココをどう表現するか?吉田さんの、陶芸家として譲れないポリシーをどの様に落とし込むか?

パイ生地、シュー生地を用いて。
生地の仕込み、成形、焼成方法で、如何様にも表情が変わるふたつの生地をケーキの土台に。
練りパイ生地の、パートブリゼを延ばしてカットしたところに、シュー生地を絞り出します。



焼物の「釉薬」とも言える、塗り玉、ドリュールを塗って焼成。
オーブンの設定は、菓子を焼く時には高めの200度で。陶芸用の窯はさらに高温の1000度超え。


あえてパイ生地に空気穴を開ける作業の、ピケは行わず、生地が温度と共に膨らむ様を成り行きに任せます。




フロランタンの焼成も、同じように温度や湿度によって微妙な変化を見せる(当然ですが、年間通じて焼き上げますから季節毎で表情も変わるのがわかります) ナッツの表情、芳ばしい香り。





焼くことで生まれる美徳とも言えるそれを、焼き上がり直ぐに切り分けて丸く整形。決して完璧にならない「円」は、終わりの無い探究心を表現しました。

土台には、大地の香りのニュアンスを纏ったチョコレートを。

大地に根を張り、実りをもたらす。特にその味わいがはっきりと伝わるチョコレート、そしてコーヒーを。

焼き上げた土台のシュー部分にチョコレートのカスタードクリームを詰めて





円のところに添えたのはホワイトチョコレートのなめらかなクリームを。
ビジュアルのインパクトが色濃く反映されましたが、陶芸も食も、大地の恵みあって成り立つ。そんな想いを込めてみました。



失敗して壊れたフロランタン。
失敗の積み重ね。やっぱり一度では上手くできないのも新しい挑戦ではつきものですね。


円は縁としても。
全体的に焼いたお菓子で構築された中に、ポンと置かれた白には、無垢なるココロ。そしてこれから育っていく、次世代への純粋な祈り。決して純白ではなく、どのような色に成るであろうか?という意味合いも込めて。






今回ここではあえてこの画像をセレクトしました。

立会いというか、この企画に興味を抱いてくれた、辻夫妻です。

前回の久保田さまファミリーの時同様に、お菓子を持って行って立会いする。
それは避けました。

共有するのは、あくまで家族です。
ボク達の仕事は、つなげることなのです。
寄り添うことは、それぞれが共有して囲む、ひとつのそれなのです。
そこまででイイのです。役目は果たせているのです。







‪Pearl Jam - The End‬

世の中の不正と戦い続けてきた、最も尊敬してやまない。

この曲。
前半では人生の歩みについて語っています。
かつて夢見たことや、変わっていく環境の波に自分が飲み込まれてしまっていること。
ただ歳を重ねていきたいだけなのに。。
後半では自分が病に伏し、終わりが近づいている。
遺していくそれらを嘆く。
そのことについてなのですが。

全力です。常に。
それだけでいいのです。




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