第636回 ペルシュタイムズ 編集後記vol.1

対談

フリートークで特にこれといったテーマもなく、取材同行した、タイムズ編集ヨシダとの冒頭から続く会話から感じられる「音色」というものにしばし終始耳を傾けながら、この方の気性というか、雰囲気をなんとなくゆったりとしたペースで感じ取ってみよう。


それはあたかも初めて手に取ったCDを、なんか気になるから聴いてみよう。先入観の枷を外して。


アルバムのアートワークは、ボク自身馴染みのある旧清水町ののどかな景色。田植えされる前の水が張られた水面。夕暮れに向かっていく時間軸なのに、どこか穏やかさも感じられる。

ツジマミさん。今回の向き合うべき女性です。
おおらかで寛容。だけど。そんな音がするのです。


お気に入りのお店で買ってきたの。と、うれしそうな笑顔を見せて、コーヒーを淹れていただきました。

インド。という舞台が土台にある方で、私インドで仕事する!なんて旦那さまに連絡されて、インドに長期滞在された経験なども聞きながら、冒頭に表現した、初めて聴いたCD、音楽のメロディー、歌詞。リズム。それらを抜粋して箇条書きします。




もともと辻さんがこの世界に足を踏み入れ、活動をスタートさせた第一歩は判子。


柄のデザインを彫り込んだものを自身で作成し、生地に規則正しく押していき、デザインを完成させていくという流れだそう。

縦でも横でも斜めでも。ペタペタ押していく。そうするとまた新しい欲求が生まれる。

生地を自分で作る。
苦労して、想いを込めて、デザインして、出来上がったB版の評価にしかならない反物に愕然としながらも。細やかさと繊細さ、緻密さが求められる。むしろそれが当然である。という日本での評価。
しかしインドには、その決めつけというカタチを凌駕するものが其処此処に平然と転がっている。


生きることも、暮らすことも、楽しむことも、自分らしく、とがめることない。そんな枠にはまらない可能性に魅力を感じるのかな。



例えばアメリカンドリームを夢見て渡米するとします。そこにはアメリカンドリームという枠があるわけです。
インドには果たしてどんな枠があるのだろうか?
象?カレー?暑い?ターバン?
イメージはできても、型にはまるような明確な枠がないのが楽しいんでしょうね。きっと。
必死ではないのだけど、そのインドの空気感を一生懸命伝えようとしている辻さんの姿がとっても印象的でした。

いろんなやりたいことが次々と出てくるそうです。
あえてそこは強く言及することなく。。


インドって言えばボクは真っ先にbudda(仏陀)がアタマをよぎります。
紡ぐ。というお話は仏教の説法でもおそらくは有名かと思います。
辻さんの「いま」はどんどん吸収して、広げて広げて。30代になったばかり。自分の思い描く物事を余すことなく、如何なく表現したい。足し算、掛け算。

ボク自身、思うところも伝えました。
引く。無駄をそぎ落とす。でもそれはいろんな足し算やら掛け算やらを試してきた。失敗も何もかも試行錯誤した結果であって、経験することでしか得られない。それこそ型にも枠にもはまらない生き方ですよ。




ひょっとすると、今回はボクからのエールになっちゃうかもしれない。なんておこごましい気分でもありながら、もんやりとしたカタチを、きちんとしたカタチに落とし込むのに少々時間を要しました。

足す。という響きがあまりにも否定的に感じてしまわれがちですが、ボクが心がけている「足す」は、三つまで。ただし、カカオパウダー、ブラックチョコレート、ホワイトチョコレートを三つだし、いちごとスポンジと生クリームだって三つ。つまり、おんなじ素材も異なる素材でも、組み合わせれば三つ。



突拍子もない組み合わせは避けるとしても、点と点は線で結ばれていくのだろうか?

インドらしさ。などはあまり意識することはないにせよ、彼女を表現するにあたって、どっぷりと両足をつけて行動を起こしているインドは外せないな。と。

辻麻美さんの手がけるブランド、design-labo-chica のホームページです。

規則性のあるデザインの連続。
日々の、日常の繰り返し。


対談を終えてからというものの、いろいろと考えることもありました。
どう表現しようか?と。


ここでは実際にイメージに落とし込んだ作品の作成からは一旦離れて、フールセック。クッキーについて言及しておきたい。

バター、砂糖、小麦粉。玉子。
大まかによっつの材料があればできてしまうのが焼き菓子。クッキーについても同様だが、組み合わせることに加え、どのようにその味わいを如何なく表現するのか?というのが一番大切。

アーモンドリッチなパレオザマンド。玉子を加えず仕込み、ホロホロと崩れながらも、刻んだアーモンドの食感と香ばしさがアクセントとなる。

紫芋のサブレ。お芋の味わいを殺さないように、焼き込みすぎに注意しながら、ゆっくりと小麦粉に火を通す意識で。

サブレ。バターリッチな味わいを活かすには、絶妙な焼き加減が要求される。


いろんなフレーバーが有って、それぞれに緻密なレシピで構築されて。
全部こんがり火を通して焼けばいいのではなく、何を訴えかけたいのか?この子の一番味わってほしいところは何か。そこをどうやって磨き込んで光らせるか。。

もしかしてそれって、内面をオモテに見せることって、難しい。そう、一番難しい作業なのかも。
ボク自身、いちばん大切にしている、目に見えない、それこそ細やかな部分は、データでも見た目でもなく、感性。という内面に他ならないわけです。




ここで先日のキャトルのパリブレストとリンクする話になりますが


抗酸化作用。
そもそもは、アーモンドペースト(ローストしたアーモンドをペーストにしたもの)と、パッションフルーツのジュースをしっかりと混ぜ合わせたクリームを採用する予定でした。
ここでの論理的な説明は、アーモンドの油脂分を、フルーツの酸と結びつけ、分離→乳化状態へと導くこと。
どうなるかといえば、アーモンドの油脂分を全て剝ぎ取るといったイメージです。
油脂分でコーティングされていたアーモンドの固形分からは、アーモンド本来のロースト香がしっかりと漂い、かつクリーミーな、カスタードクリームのような、キャラメルクリームのような食感になるのです。



ただし、パッションフルーツの酸味が妙に立ちすぎていて、アーモンドの味わい。という論点からは少し離れすぎる。そう思ったからです。




悩み抜いて、ひとつの明確な答えに腰を下ろす。
やらずに悩むのではなく、やってみる。
答えは自ずとカタチになる。

次回、後編に続きます!
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