バレンタインまとめ的な日記 (第655回)
バレンタインデー。というよりも、今年はハッピーバレンタインといった雰囲気で過ぎ去ったのですが、4年にわたり発表を続けてきたコンセプトチョコレートからは一旦離れたのです。


プラリーヌには、過去4年分、五つのコンセプトチョコレートをそれぞれに人気のあったものをチョイスして詰め合わせました。いわば「ベストオブ」的な、これまで考案してきたものを一堂に集めたものでした。

その他、新作というか、目新しいものは黒い森のシュトーレン。カカオ風味の何か。という結構大きな視野から取り組んでみたもので、個人的には仕込みをしながら少しづつレシピと製法の改良を重ね、クリスマスシーズンに提供しているマンデルシュトーレン同様、長く愛されるアイテムになればいいなと思っている次第です。
今期はコンセプトチョコレートはおろか、チョコレート関連の新作の提案からは一歩退いたと言える状況でした。
理由は至ってカンタンです。自分で本当にしたいことがニーズとは離れていること。
求められることの華やかさというのはどれほど伴っているのだろうか?
かわいいとか凝ったデザインとか、ショッパーに例えられる、手提げの袋のデザインだったり。
逸脱しつつあるような。この風潮を否めないと感じているのは果たしてどの程度でしょうか。
とは言いつつ、ジブン好みのセレクトで取り寄せたアイテムを何品かここで紹介。

モランのタブレット2種。東京のサロンドゥショコラで出店した際のアイテムをとある方から御厚意でいただきました。
モランといえばペルー産カカオ。と言われる、氏のスペシャリテ。(キラ、左側です)
少々分厚いタブレットを口に含み溶かしていくにつれて感じる、最初感じるペルーカカオらしさの持つ酸味と苦味。
しかしこの雰囲気は一般的なそれとは少し離れ、黄色いフルーツの熟成具合を感じとれる。ペルーらしさというよりも、マダガスカルカカオの持ち合わせているニュアンスがしっくりくる。バナナとバニラのローストした風味と味わい。それらは酸味に続いて感じるカカオのコンチング由来による苦味を伴ったそれとも言えるかもしれない。
意図的かどうかは定かではないが、口の中でカカオをゆっくりと溶かしていくことで感じ取れる微妙なカカオマスのザラつき感が舌の上で留まることでより印象的にその奥深さとポテンシャルの高さを印象付ける。完全にトップノートからノートエンドまでの印象をコントロールしつくしたかのような仕上がりに脱帽。
ビーントゥバーとしての楽しみ方を再認識させてくれる。
隣のベネズエラ、グアサーレは、絶対ポルトガルワインとのペアリングがオススメ!っていうくらい、いちごのジャムに似た甘みが広がる。以前呑んだ赤のポルトガル…なんだっけ…

JPH ジャンポールエヴァンの新作?
これは完全にジャケ買い要素が半端ない←オイ。アステカ=カカオをそのまんま表現している感がビシバシ伝わったのでイマイチ内容がなんなのかもわからず取り寄せ。
四種類×各3粒。
これがまたたまらなくマニアックというか、心おきなく楽しんでくれ!的なじっくり堪能できる感がオタク向け(要するに使い込む用、保存用、予備の合計3つ!)ってなぜか食べる前から嬉しくなる始末。
ショコラを楽しむ時、よくグランクリュという言葉が登場するが、最高級を意味する言葉でボクがいつも使うシングルビーン、単一品種カカオのこと。口に含みゆっくりと溶かしていくと、キレイに舌の上で広がる味わい。
結論というか、言いたいことを簡潔に?まとめるとすればいかに潔くあるべきかなんでしょうね。余計なことは一切省いて。。まだまだそこにたどり着くには未熟で労力も相当伴うんでしょうけど。
こんな変なモヤモヤもあり、ベストオブ。といった体で止めた訳で。面白いことに今年のプラリーヌにはパートドゥフリュイを構成したガナッシュはひとつも入れなかったのも自分の中の思いが色濃く反映されたと言えるんでしょうね。
ここできちんと紹介しておきたいのが、マカロン。本当にこの脇役のような主役級の、なんとも奥の深い作るのも厄介な菓子にサンドするのは、ガナッシュ。つまりプラリーヌと全く同じ(ではない)発想で取り組んでます。ガナッシュのカバーリングが、マカロンコック(アーモンド生地)を考慮しながら、甘さとアーモンドのカバーリングをどうすべきか。という部分が最も難しいことかもしれないですね。

フランボワーズ
つい最近だが、エクアドル産ナシオナルカカオのミルクチョコレートとラズベリーピューレを組み合わせたガナッシュに変更。ミルクチョコレートと言いつつも、カカオ分50%というハイカカオ。カカオの口どけと香りの広がりが鈍いながら、フローラルなノートを遺憾なく発揮した仕上がり。そこにはラズベリーの酸味という、いわば少々敬遠されがちな酸味のトーンが影を潜め、いちごとも感じ取れてしまうほどのやさしさと甘みが広がる。

カシス
モランリオエネ。いろんなペアリングを試しながらも、このマカロンカシス用のガナッシュが自分の中でのベリーベスト。赤い果実、特に熟成した樽香やチェリーの重たい甘さ、もしくは葡萄の奥行き。カシス特有の渋味というものを感じ取らせない、むしろカシスの持ち味とも言えるそれが影を潜め、果実味が前面に出てくる。これは傑作!と珍しく自負しているのです。
とまぁ、いいだせばきりがなく、極力このようなマイナーチェンジを続け、ペアリングの模索を常々しているので、こまめにペルシュのサイトのどこかを←不親切極まりない。と思っています。
A Perfect Circle-The Outsider-Tonight Show
この曲について、MJKが語っていた。
いろんな中毒者が居る。いつもスポットが当たるのは、当事者。この曲は違う。当事者を取り巻く周りの人たちのことだ。


プラリーヌには、過去4年分、五つのコンセプトチョコレートをそれぞれに人気のあったものをチョイスして詰め合わせました。いわば「ベストオブ」的な、これまで考案してきたものを一堂に集めたものでした。

その他、新作というか、目新しいものは黒い森のシュトーレン。カカオ風味の何か。という結構大きな視野から取り組んでみたもので、個人的には仕込みをしながら少しづつレシピと製法の改良を重ね、クリスマスシーズンに提供しているマンデルシュトーレン同様、長く愛されるアイテムになればいいなと思っている次第です。
今期はコンセプトチョコレートはおろか、チョコレート関連の新作の提案からは一歩退いたと言える状況でした。
理由は至ってカンタンです。自分で本当にしたいことがニーズとは離れていること。
求められることの華やかさというのはどれほど伴っているのだろうか?
かわいいとか凝ったデザインとか、ショッパーに例えられる、手提げの袋のデザインだったり。
逸脱しつつあるような。この風潮を否めないと感じているのは果たしてどの程度でしょうか。
とは言いつつ、ジブン好みのセレクトで取り寄せたアイテムを何品かここで紹介。

モランのタブレット2種。東京のサロンドゥショコラで出店した際のアイテムをとある方から御厚意でいただきました。
モランといえばペルー産カカオ。と言われる、氏のスペシャリテ。(キラ、左側です)
少々分厚いタブレットを口に含み溶かしていくにつれて感じる、最初感じるペルーカカオらしさの持つ酸味と苦味。
しかしこの雰囲気は一般的なそれとは少し離れ、黄色いフルーツの熟成具合を感じとれる。ペルーらしさというよりも、マダガスカルカカオの持ち合わせているニュアンスがしっくりくる。バナナとバニラのローストした風味と味わい。それらは酸味に続いて感じるカカオのコンチング由来による苦味を伴ったそれとも言えるかもしれない。
意図的かどうかは定かではないが、口の中でカカオをゆっくりと溶かしていくことで感じ取れる微妙なカカオマスのザラつき感が舌の上で留まることでより印象的にその奥深さとポテンシャルの高さを印象付ける。完全にトップノートからノートエンドまでの印象をコントロールしつくしたかのような仕上がりに脱帽。
ビーントゥバーとしての楽しみ方を再認識させてくれる。
隣のベネズエラ、グアサーレは、絶対ポルトガルワインとのペアリングがオススメ!っていうくらい、いちごのジャムに似た甘みが広がる。以前呑んだ赤のポルトガル…なんだっけ…

JPH ジャンポールエヴァンの新作?
これは完全にジャケ買い要素が半端ない←オイ。アステカ=カカオをそのまんま表現している感がビシバシ伝わったのでイマイチ内容がなんなのかもわからず取り寄せ。
四種類×各3粒。
これがまたたまらなくマニアックというか、心おきなく楽しんでくれ!的なじっくり堪能できる感がオタク向け(要するに使い込む用、保存用、予備の合計3つ!)ってなぜか食べる前から嬉しくなる始末。
ショコラを楽しむ時、よくグランクリュという言葉が登場するが、最高級を意味する言葉でボクがいつも使うシングルビーン、単一品種カカオのこと。口に含みゆっくりと溶かしていくと、キレイに舌の上で広がる味わい。
結論というか、言いたいことを簡潔に?まとめるとすればいかに潔くあるべきかなんでしょうね。余計なことは一切省いて。。まだまだそこにたどり着くには未熟で労力も相当伴うんでしょうけど。
こんな変なモヤモヤもあり、ベストオブ。といった体で止めた訳で。面白いことに今年のプラリーヌにはパートドゥフリュイを構成したガナッシュはひとつも入れなかったのも自分の中の思いが色濃く反映されたと言えるんでしょうね。
ここできちんと紹介しておきたいのが、マカロン。本当にこの脇役のような主役級の、なんとも奥の深い作るのも厄介な菓子にサンドするのは、ガナッシュ。つまりプラリーヌと全く同じ(ではない)発想で取り組んでます。ガナッシュのカバーリングが、マカロンコック(アーモンド生地)を考慮しながら、甘さとアーモンドのカバーリングをどうすべきか。という部分が最も難しいことかもしれないですね。

フランボワーズ
つい最近だが、エクアドル産ナシオナルカカオのミルクチョコレートとラズベリーピューレを組み合わせたガナッシュに変更。ミルクチョコレートと言いつつも、カカオ分50%というハイカカオ。カカオの口どけと香りの広がりが鈍いながら、フローラルなノートを遺憾なく発揮した仕上がり。そこにはラズベリーの酸味という、いわば少々敬遠されがちな酸味のトーンが影を潜め、いちごとも感じ取れてしまうほどのやさしさと甘みが広がる。

カシス
モランリオエネ。いろんなペアリングを試しながらも、このマカロンカシス用のガナッシュが自分の中でのベリーベスト。赤い果実、特に熟成した樽香やチェリーの重たい甘さ、もしくは葡萄の奥行き。カシス特有の渋味というものを感じ取らせない、むしろカシスの持ち味とも言えるそれが影を潜め、果実味が前面に出てくる。これは傑作!と珍しく自負しているのです。
とまぁ、いいだせばきりがなく、極力このようなマイナーチェンジを続け、ペアリングの模索を常々しているので、こまめにペルシュのサイトのどこかを←不親切極まりない。と思っています。
A Perfect Circle-The Outsider-Tonight Show
この曲について、MJKが語っていた。
いろんな中毒者が居る。いつもスポットが当たるのは、当事者。この曲は違う。当事者を取り巻く周りの人たちのことだ。
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