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機械化 (第676回)

前々回のブログ、長野訪問の件の時に書き記した機械化についてより詳細を。
いや、どちらかといえば続編なのかも。

効率化、生産性の向上。これが機械化の主たる導入要因。またはそれに伴った時間短縮。

そういう目的以上にボクが活用しているのがQBO。

コンフィチュールの仕込みでは中温沸騰で熱褐変を抑制できることで果実本来の色合いを損なわない。当然、糖分、旨味のアクも軽減できます。
この機械、イマドキの物ですから当然コンピューター制御。オペレートユニットにプログラムを記憶させて動かしてるわけで、これくらいのスピードでカッターを回して、10秒回して3秒止める。なんて動作も忠実にできる。
加熱の熱量も調整できて。ブワーって熱を通したかったらヒーターの出力をあげたり。逆も然り。
このタイミングで小麦粉入れたり、バター入れたり、動作を一時停止して、ブザーで呼び出せるように設定可能。

お店それぞれに独自のオペレーションを組み立てて、レシピと製法に基づいたプログラムができるのも面白い。

あ。今回は完全に業界に携わる方々がご覧になっていて何かの参考になればイイかな。っていう記事です。
業界がどうやって今後疲弊や衰退を避けていけるか。不特定ですけど情報の公開共有は必須だと思うんです。


まぁ、とりあえずニーズというか、痒いところに手が届く。というのは煩わしさの解消になるわけです。
設備投資というのは少々しんどいですけど、できないことの幅が狭まるというのも事実。
常に自分のウィークポイントとか、強みとか。求められていることとか。斜に構えておけってことかもですね。


いろんなことをオペレート化していくと、今まで疑問に思わなかった工程。
というかなぜだろう?を掘り起こせたのも実はこのqboを導入したことがきっかけ。

レモンジュースはコンフィチュールの炊き上がりにブリックスの数値(糖度)を見て、調整のために加える。

総量の数パーセントでそんなブリックスって変わるか?
って思うとスッゲーはてなが増える。
これは結局コンフィチュールのレシピをプログラム化する時に思ったこと。レモンジュースを最後に加える。って工程を入力する時に思ったこと。

結論言っちゃうと、ペクチンって糖度の高い物のセット力を高める凝固剤。ゼラチンみたいにプリって感じではなくて、とろんって感じ。誤解されがちなのが、糖度がないとペクチンが反応しないのではなくて、ph(酸性)の値とか、乳にも含まれるカルシウムにも結合するみたいです。
糖度高いガムシロップなんかは冷凍しても固まらなくて。簡潔(乱暴)にいえば糖は凍りません。

自身の仕事であったりとか、思考であるとかを外から見直すには良い機会。
なんとなくに対しての気づきなども糧になる。そういう意味では常に初心とか、基本に立ち戻る重要性もあったり。




先日長野でチェリーキッス(サワーチェリー)のジェラートをいただき、酸味と糖度のバランスをバランスよく引き出すのが難しい。絶妙なバランスが求められるんです。
岡田さんの声を持ち帰り、お菓子教室で準備したチェリーキッスのコンポート。コンフィチュールで感じていた、ブリックス値が阻害する風味や本来の味わいに対する反抗心みたいなものもどこかしら心の片隅にあり、果実に対して8%のグラニュー糖を加えるに留め、果実から出る水分を適度に飛ばすことで(多少煮詰める)バランスの良い仕上がりに。
今年は春先に霜の影響で花に被害が出たというチェリーキッス。すでに来期の構想が頭に広がっていますね。

この考えを応用して、杏子のタルトをコンポートに仕上げて焼き上げることに。



半割りして種を取り除いた杏子にグラニュー糖をまぶし、冷蔵庫で小一時間。
1キロの杏子に180gのグラニュー糖。もう少し減らしてもよかったかも。



果肉から出てくる水分を飛ばし、煮詰め具合を確認しながら火にかけ濃度を高くして完成です。

余談ですけど、加熱による凝縮でジャスミンティーのような香りが引き立つことは本当に不思議で面白くて、フードペアリングで提唱する、香りの共通因子で明らかにされているのも頷けて。

実践によって裏付けられる。これは間違いなく経験値をあげるには必須でやるべきことだとはっきり言えることです

コンポートとタルトダマンドをシュクレを延ばした型に詰め、焼成。



焼成途中、クレムダマンドがカマ伸びしたタイミングで適当に乱切りした杏子を乗せて焼き込みます。

素材の味わいをシンプルに引き出すとなると、極力シンプルな菓子で、その美味しさを打ち出すのは必須。一見地味な焼きっぱなしなタルトの方がしっくりくる事が多いですね。




加熱。焼きこむことで引き出される旨味の表現はタルトレットがおそらく最適。
旬の季節の果実が主役なので、当然提供にも限りがあります。お早めに。



ジャムの妖精、マダムフェルヴェール。
コンフィチュールのルセット集を見ていて思ったことはペクチンを一切配合しないこと。
製法のその伝統的な工程にも意味合いは必ずあるんでしょうね。
今回の杏子のコンポートも手作業で。それこそいきなり機械頼りでは味気なく、味わいと香りを見落としてしまう。

両立は正直難しいですけど、目指したいところへの落とし込み。それは若い世代に技術継承をしていくことと全く同じこと。客観的にアウトプットするのも大切なことそのものです。






ジャージーみるくぷりん

卵黄、牛乳、生クリーム、グラニュー糖を一緒に合わせて、アングレーズクリームのようにひたすら混ぜ続けなくてはいけない。温度も75度とシビアな条件で、乳化状態と焼成によって82度にしていく。たかがぷりんでしょ?っていう概念をひっくり返すほどの面倒な作業。プリンの基本は牛乳と卵を静かに混ぜて裏ごして。温度についてはシビアさが求められますけど、つきっきりではなくて。
火加減や手加減もコツがいる作業、手離れできます。

それよりも、より良いプリンを提供して喜んでもらいたい。地場のたまごはもちろんのこと、放牧地で育ったジャージー牛乳で仕込むこと。



牛乳、すっごく品質が変わるんです。
春先に牛舎にずっとこもっていた子達が、お外に出る時は尻尾がピンと立つらしいです。
牛は嬉しいと尻尾が立つ。今年初めて聞いて知ったことです。
いつも勝山市から牛乳を届けてくれる牧場メンバーさんからの情報。
何度も足を運んで、牛達とも会ってきた。だからでしょうね。こだわりを感じます。

ラブリー牧場さんを尋ねた過去ブログ記事。タップして飛べます。

この放牧直後。おそらく一週間ほどしてからの牛乳を飲むと、甘みが強く、濃度も高く感じます。
当然、プリンの味にも影響します。

今現在、ひと月前、常に牛乳の味わいは変わります。
最近のものは口に含むと最初にミネラル分を感じ、そのあとに甘み。すっきりとした飲み終わり。
今は牧草となる若草の生育も早く、水分も多い。加えて牛自身も水を飲む量が多いから牛乳の濃度も薄い。
こういうのキチンと感じてほしい。今の牛乳、素材で仕込んだプリンについて情報を提供したい。


人手不足の解消のためなどを目的に機械化が業界で進んでいます。手作りの、手仕事の限度を超えるスピード感が得られる一方、手離れできることもたくさん。
マカロンの生地の絞りを、デポジッターと呼ばれる絞り出しの機械に任せて。それに伴ってマカロン生地をスイスメレンゲから、イタリアンメレンゲに変更した。なんて話も聞きます。

イタリアンメレンゲは卵白のチカラが強くなるので、油分が多い生地でも保ちが良い。その代わり食感やコックの味わいが劣る。ボクは一貫してスイスメレンゲでのマカロンを焼いてます。利益、生産性も悪いです。正直。だけどプロとしてやるべきことだと、やらなくてはいけないことだと思ってます。




ブルーベリータルトに詰めるブルーベリーコンフィは、ペクチン、バターやクレームドゥーブルなどを加えてコクを出してます。何か手間を加えないといけない。そんな足し算を要求されているかのようです。それがいけないことと言いたいわけではなく、こうすることで無駄を省けるのでは?にキモチをシフトするきっかけを生み出していくことではないでしょうか?

今回のブログはどちらかといえば業界に携わる方々に向けて書き綴ったつもりです。(また言ってる。2回目だぞ)
ただただ単純に能率化が進んでいるイマドキの流れ。時短や能率化ばかりが騒がれ、本質がやはり消え失せて行ってはしないか?ハラハラする思いでいるのです。
誰かの目に留まり、それもありかな。ってきっかけのひとつになれば良いな。正直今回の記事を完成させるのにも一週間ほどかけて公開してます。その労力の意味ってなんなの。ってやっぱり飲食業界全体に対してのこと。







BABYMETAL - 4 no Uta「4の歌」

シアワセの4とか、ヨロコビの4とか言ってる。
日本では不吉な数字の4をポジティブに変換してる。

何事もポジティブに持っていくのは必須。

前回ブログでの投げかけにもコメントもいただきました。なるほどな意見に納得。ありがとうございました!




追記です。
思い出したことですけど、お肉屋さんの惣菜について聞いた事を。

最近、おばちゃんが引退したので、若い子にバトンタッチしたとのこと。
若いといってもお幾つくらいの方かは存じません。でも、味変わった。違う。で離れていっちゃうそうです。身近に感じる、伝統と継承ですね。数値では決して見出せないなにか。
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Secre

美味しさは
優しさ

ってCMで
あったけど

その通りで

食べる人への気持ちが入るから
優しい味なんですよね

作ってるもの

って その人の分身、子供みたいなもので

食べた瞬間に
わかります

機械なのか
手作りか
一部機械か


それほどに
作品は
その人を語るのです

プロの味わいは
間違いないながらも

ただ単に計算づくだと
一度で
いいかな


なる

リピートしたいのは
やはり
気持ちの入った
お菓子なのです
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手づくり菓子工房 ペルシュ

Author:手づくり菓子工房 ペルシュ
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