産地訪問 前編 (第679回)
7月に信州を訪れた際、次回はりんごや栗の収穫の時期にまた、ということで。
前回訪問のブログへはこちらから
念願叶えるべく、再び長野は小布施町に。
今回は栗農家の小林様、そして自社農園の案内を買って出てくれた川上農園様と、小布施の道の駅オアシスで待ち合わせ。
最近はETCゲートも併設された、高速道路サービスエリアと一般道路が繋がっている箇所も増えましたけど、ここもそのひとつ。ほどなく待ち合わせ場所に迎えに来てくださった御二方。なぜかすぐにあの人だ!ってわかる運命的なそれが。。いや、むしろどうして先方様がすぐこちらに気づいてくれたのか?という方が不思議で
自己紹介もそこそこに、早速栗の畑へと向かいます。
千曲川(ちくま川)の河川のほとりに、数え切れない無数の栗林の農道を先に走る軽トラについていき、到着したのが小林さんの畑。ずーっと先まで栗の木が整然と並びます。

最初に見せてもらったのが、銀寄という品種の樹。足元辺りには栗のイガが散乱していて、樹にはイガの開いた栗が顔を覗かせています。

でっかく実る栗は、隣の2個を押し出して大きくなる。これが一級品。
イガの中で育っていく過程で両端の栗を押しのけ膨らむと、この大きさに育つそう。
ふたつ成りのもの、みっつ成りのものもあるのですが、一度このデカいのを見ちゃうと次第に大物探しに。

画像だと分かりにくい。でもホントおっきい!
今年は例年よりも収穫のピークが早く、こんなに早く収穫を終えたのは稀だそう。
猛暑や台風の影響が主な原因だとおっしゃってましたが、ご苦労されますね。との問いには
台風でたくさん落っこちて今年は散々や。
でも自然が相手だから仕方ない。ハハハ
すごく前向きなんです。結果ダメな事抗ってもどうしようも無い。そう聞こえます。
見習わないといけない。ボクもなんだかんだ毎日の中で一喜一憂しちゃいますから。

畑の奥に続く、大ぶりな樹は丹沢。樹齢は20数余年だそう。
樹の見た目で品種の違いは見分けつくのでしょうか? との問いには、正直わからない。との事。畑の区画別で植えてある品種がわかるそうです。でもなんとなく雰囲気で違いを見分けているな。という感じはしましたけどね。
収穫後の剪定については、12月に入ったら行うそうです。
おおむねの果樹はやはり休眠期に入るタイミングのようですね。
収穫で終わりではなく、翌年に向けての準備に追われる。畑が大きいほど、樹の背丈の高さほど、労力の程、苦労が身に染みて伝わります。吹きざらしの中で、少し強い日差しの中お話を伺いながら感じた事でした。
残念な事に収穫に汗を流すほどの量はすでに無く、収穫済みのものをご自宅にいただきに。
収穫のピークには、家族総出。姪にも手伝ってもらいます。
小布施のお宅は大抵こんな感じなんでしょうか。畑の重機やカゴ、計りや農作業の道具が並んでいます。
譲り受けた栗は、泥に被った鬼殻のもの、殻が少しひび割れたもの。殻剥きすれば剪定も問題無くできるはずなのに、なんだかもったい無い話です。もちろん立派なものばかり。

これは虫食い。穴が空いてるでしょ?
手に取ってジッと見てると、ひょっこりと覗くヤツが… はい、
こんなのは取ってくれない。(買い取ってもらえない) 昔は売れたのにねー。との事でした。
最低限の農薬に留め、枝の剪定から収穫の際の剪定、中腰での作業。落下したものしか収穫してはいけない。そんな小布施のルールもあるようです。
やはり現場でしか聞けないお話もできるのが醍醐味。当然、栗への愛着もひとしおな訳です。
小林さんに別れを告げて、次なる目的地、川上様のりんご園に。
ぶどうの収穫はほぼ終わっているとの事だったので、これから収穫を迎える秋映が主体の畑へ。
小布施の市街地を抜けて、程なく山の裾野に広がる一角のりんご園に着きました。

畑の西側には香りの良いシナノゴールドの樹が。このりんごは本当に香りが漂うんです。他の品種には無い特徴ですね。
まだ色づきの早い、ふじが奥に広がり、東側には秋映、少し奥にシナノスイート。実に4品種が並びます。

りんごの枝は少し低い位置に、横に広がるように剪定されていて、過去に数度訪れたりんご農園の樹よりは少し背丈も低いように感じました。
エコファーマーとして減農薬農法に取り組んでらっしゃるので、除草剤は使わずとも綺麗に手入れの届いた畑です。
奥手のふじの収穫が終わったら剪定。2度行い、自然受粉で結実までのサイクルを葡萄とともに栽培されているそうです。
シナノスイート、ゴールドに少し押され気味な秋映。真っ赤な皮が目を引くりんごを見ながら、座談会。座ってません、立ち話ですけど。

ボクはそもそも、秋映が始まると、「あ、りんごの季節の到来だ」ってスイッチが入るタイプなんです。

↑コレはシナノスイート。秋映との色の違いも明確ですよね。
ジューシーで果肉も適度なシャリ感もあるし、5年ほど前だったと思いますが、シナノシリーズが出てくる前はすごく注目を浴びたりんごなのを覚えています。
葡萄についてもいろいろなお話が聞けたのですが、品種別特徴などの各々の好みについて懇々と話したのが主体なのでここでは控えておきます。クイーンニーナの栽培も手掛けているそうですが、今季の収穫は終えたとのこと。残念…
そしてここでも自分の手で確かめながら、色付いたりんごを採らせてもらい、それらをホントに惜しげも無く分けてくださいました!
本当に気前よく、いろんな問いかけに丁寧に答えていただいた川上さんと別れ、今回最後の目的地に向かいます。
次回、後編に続きます。。
素材を持ち帰り、お菓子に仕上げていく。半製品を仕入れて、なんとなく産地限定だとか、最高級だとか。そんな建前よりも実際に目の当たりに、手を触れたり、声を聞いたり。
モノが簡単に手に入るから、情熱の無い、心ないものではなく、その人の顔を思い浮かべながら勤しみたい。
今回の訪問は本当に楽しい時間の連続。だけどやはり想うところもたくさん。自分なら何ができるのであろうか。ココロ震える事も多数でした。
前回訪問のブログへはこちらから
念願叶えるべく、再び長野は小布施町に。
今回は栗農家の小林様、そして自社農園の案内を買って出てくれた川上農園様と、小布施の道の駅オアシスで待ち合わせ。
最近はETCゲートも併設された、高速道路サービスエリアと一般道路が繋がっている箇所も増えましたけど、ここもそのひとつ。ほどなく待ち合わせ場所に迎えに来てくださった御二方。なぜかすぐにあの人だ!ってわかる運命的なそれが。。いや、むしろどうして先方様がすぐこちらに気づいてくれたのか?という方が不思議で
自己紹介もそこそこに、早速栗の畑へと向かいます。
千曲川(ちくま川)の河川のほとりに、数え切れない無数の栗林の農道を先に走る軽トラについていき、到着したのが小林さんの畑。ずーっと先まで栗の木が整然と並びます。

最初に見せてもらったのが、銀寄という品種の樹。足元辺りには栗のイガが散乱していて、樹にはイガの開いた栗が顔を覗かせています。

でっかく実る栗は、隣の2個を押し出して大きくなる。これが一級品。
イガの中で育っていく過程で両端の栗を押しのけ膨らむと、この大きさに育つそう。
ふたつ成りのもの、みっつ成りのものもあるのですが、一度このデカいのを見ちゃうと次第に大物探しに。

画像だと分かりにくい。でもホントおっきい!
今年は例年よりも収穫のピークが早く、こんなに早く収穫を終えたのは稀だそう。
猛暑や台風の影響が主な原因だとおっしゃってましたが、ご苦労されますね。との問いには
台風でたくさん落っこちて今年は散々や。
でも自然が相手だから仕方ない。ハハハ
すごく前向きなんです。結果ダメな事抗ってもどうしようも無い。そう聞こえます。
見習わないといけない。ボクもなんだかんだ毎日の中で一喜一憂しちゃいますから。

畑の奥に続く、大ぶりな樹は丹沢。樹齢は20数余年だそう。
樹の見た目で品種の違いは見分けつくのでしょうか? との問いには、正直わからない。との事。畑の区画別で植えてある品種がわかるそうです。でもなんとなく雰囲気で違いを見分けているな。という感じはしましたけどね。
収穫後の剪定については、12月に入ったら行うそうです。
おおむねの果樹はやはり休眠期に入るタイミングのようですね。
収穫で終わりではなく、翌年に向けての準備に追われる。畑が大きいほど、樹の背丈の高さほど、労力の程、苦労が身に染みて伝わります。吹きざらしの中で、少し強い日差しの中お話を伺いながら感じた事でした。
残念な事に収穫に汗を流すほどの量はすでに無く、収穫済みのものをご自宅にいただきに。
収穫のピークには、家族総出。姪にも手伝ってもらいます。
小布施のお宅は大抵こんな感じなんでしょうか。畑の重機やカゴ、計りや農作業の道具が並んでいます。
譲り受けた栗は、泥に被った鬼殻のもの、殻が少しひび割れたもの。殻剥きすれば剪定も問題無くできるはずなのに、なんだかもったい無い話です。もちろん立派なものばかり。

これは虫食い。穴が空いてるでしょ?
手に取ってジッと見てると、ひょっこりと覗くヤツが… はい、
こんなのは取ってくれない。(買い取ってもらえない) 昔は売れたのにねー。との事でした。
最低限の農薬に留め、枝の剪定から収穫の際の剪定、中腰での作業。落下したものしか収穫してはいけない。そんな小布施のルールもあるようです。
やはり現場でしか聞けないお話もできるのが醍醐味。当然、栗への愛着もひとしおな訳です。
小林さんに別れを告げて、次なる目的地、川上様のりんご園に。
ぶどうの収穫はほぼ終わっているとの事だったので、これから収穫を迎える秋映が主体の畑へ。
小布施の市街地を抜けて、程なく山の裾野に広がる一角のりんご園に着きました。

畑の西側には香りの良いシナノゴールドの樹が。このりんごは本当に香りが漂うんです。他の品種には無い特徴ですね。
まだ色づきの早い、ふじが奥に広がり、東側には秋映、少し奥にシナノスイート。実に4品種が並びます。

りんごの枝は少し低い位置に、横に広がるように剪定されていて、過去に数度訪れたりんご農園の樹よりは少し背丈も低いように感じました。
エコファーマーとして減農薬農法に取り組んでらっしゃるので、除草剤は使わずとも綺麗に手入れの届いた畑です。
奥手のふじの収穫が終わったら剪定。2度行い、自然受粉で結実までのサイクルを葡萄とともに栽培されているそうです。
シナノスイート、ゴールドに少し押され気味な秋映。真っ赤な皮が目を引くりんごを見ながら、座談会。座ってません、立ち話ですけど。

ボクはそもそも、秋映が始まると、「あ、りんごの季節の到来だ」ってスイッチが入るタイプなんです。

↑コレはシナノスイート。秋映との色の違いも明確ですよね。
ジューシーで果肉も適度なシャリ感もあるし、5年ほど前だったと思いますが、シナノシリーズが出てくる前はすごく注目を浴びたりんごなのを覚えています。
葡萄についてもいろいろなお話が聞けたのですが、品種別特徴などの各々の好みについて懇々と話したのが主体なのでここでは控えておきます。クイーンニーナの栽培も手掛けているそうですが、今季の収穫は終えたとのこと。残念…
そしてここでも自分の手で確かめながら、色付いたりんごを採らせてもらい、それらをホントに惜しげも無く分けてくださいました!
本当に気前よく、いろんな問いかけに丁寧に答えていただいた川上さんと別れ、今回最後の目的地に向かいます。
次回、後編に続きます。。
素材を持ち帰り、お菓子に仕上げていく。半製品を仕入れて、なんとなく産地限定だとか、最高級だとか。そんな建前よりも実際に目の当たりに、手を触れたり、声を聞いたり。
モノが簡単に手に入るから、情熱の無い、心ないものではなく、その人の顔を思い浮かべながら勤しみたい。
今回の訪問は本当に楽しい時間の連続。だけどやはり想うところもたくさん。自分なら何ができるのであろうか。ココロ震える事も多数でした。
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