第693回
ガトーバスク

パートの仕込みは、極一般的なシュクレ、またはサブレ生地と同様です。今回はフードプロセッサーでオールインで作業しましたが、薄力と強力粉を半量づつブレンドしているので、グルテンの出過ぎには注意します。

コンフィの仕込みは、小布施のチェリーキッスと、佐藤錦をそれぞれ。煮詰めも別々に行わないと、果実の糖度にかなり開きがあるのでうまく固まらないであろう、そんな予測を立てての準備。
ガルニチュール(詰め物)としてなので、シロップとなる水分もペクチンでガッチリホールドしてあげないと焼成中の吹きこぼれに繋がりそうで恐ろしくて。

出来上がった2種のさくらんぼは、チェリーキッス6:4佐藤錦、ほどの割合で混ぜ混ぜ。
パートバスクは2cmほどの厚みに伸ばして、縁取り、被せと、ひとつのガトーに対して二枚準備します。
さくらんぼのコンフィの上に「てろん」と乗っているのはクレームパティシエール。つまりカスタードクリームです。
クリームにはラム酒を混ぜ込んでいます。焼成する事でコンフィと上手く混ざり合って、適度にとろみの出たコンフィの味わいに変化するのです。
ドリュール(塗り玉)を塗って、パートの上にローブリューを描いて焼成です。

バスクのシンボル、ローブリューについては以下の通り。

ローブリューの4つの羽は火、大地、空気、水を表しており、その4つが交わることは、"永遠""愛""平和"の象徴とされています。また、"Lau=4つ""Buru=頭"を意味し、バスク地方の4つの主要地域、サン・セバスティアン、ビルバオ、ビトリア、パンプロナを表しているとも言われています。

今回初めてのガトーバスクにチャレンジでした。
昨年秋にキャラメルと胡桃で「ガトーバスク」の名前を拝借しましたが、(どちらかといえばエンガディナー)地方の伝統菓子の派生も著しく、そもそもの起源になぞっていくと、その土地の特産を使ったものが多く、そして小布施のチェリーキッスを用いて新しい何かを模索していたことから発表に至った経緯をここにお伝えしておきます。

そして佐藤錦、7月10日現在、紅秀峰の大粒さくらんぼ。歯応えも良い果肉の引き締まったオススメの一品は、ちょっと大振りの特別タルトのシリーズでも提供中です!

そういえばバスクチーズも、ハード系チーズに変更を余儀なくされています。
コロナの影響で、ヨーロッパからの輸入にも多数制限が掛かっており、チーズも例外ではありません。画像のイディアバルは、正にバスク地方で作られている山羊チーズ。これも無くなり次第、マンツェゴというものに切り替わります。少しばかり濃厚なニュアンスが強く感じられるかとは思いますが、引き続きお楽しみいただければと思います!
コロナ禍の影響も多岐にわたり、恐ろしいまでの変革を余儀なくされてきた事と思います。
自分でも驚くくらい、ケーキに対するニーズというか、必然性が高まった事。いろんな自粛の中、わざわざ足をお運びいただき、「癒しとして」もその需要が高まった事。
今、自分の職責を強く感じています。どこまでもていねいに、お応え出来ることに対して余す事なくやり遂げていきたいです。
店先の庭の草花の剪定、潅水のため夕方は外にいる事も多いのですが、ご興味が有ってお声がけ頂く方とお花について、お話をやり取りさせてもらったり。ケーキ以外でもコミュニケーションを取れる。ってすごい事だと思います。商品もそうですが、お菓子を取り巻く空間においても癒しになれば。との想いも一層強くなるのです。
ただ、世間的にはいろんなフラストレーションが渦巻いているのも事実。
(だからこそボク自身は荒ぶること無かれ。の想いを強く描いているのだけれど)
特にBLACK LIVES MATTER
あ、ここから完全にお菓子の話は無くなりますので(汗)
90年代初頭、RAGE AGAINST THE MACHINE ってバンドが席巻して、彼らの曲のひとつ、KILLING IN THE NAME OF 。
この曲、権力に対しての強い反逆心みたいなのがあって、サビでは今回のこの事件を彷彿させるワードが並んでいて。
それよりも
「テメーの言うことなんかゼッテー聞かねー!!!」
当時の自分もそうでした。やり場のない怒りやフラストレーション、葛藤、それでも前に進もうと踠いていたのが俗に言う「オルタナ」ですねー。いや、懐かしいと言うか、今ってなんかガツガツしてないな。受け身だなー。なんかインダストリアルムーヴメントにどっぷりだなー。って。ちょっと愚痴混じりw
だけど、自分の好きなバンドが最初はこう、フラストレーションをぶちまける様な荒々しい部分や情緒的な側面が色濃く出ていたり。プレイテクニックではなくてエモーショナルな部分なのか。
それがこう、時間の経過と共に円熟していくと言うか、あれ?年取ったんか?あのハードなんどうした?みたいなのが薄れてきてて、インダストリアル寄り?なんて思っていたのに、最近それに妙に納得してしまうのーw
pearl jam世代としては、また違った意味合いでの混沌を隠に感じています。コツコツと積み重ねてきたモノを大切に、丁寧に、例えるとすればいろんな流行が堂々巡っています。それをどうモダンに昇華させていくか、其処に欠かせないのが今までの積み重ねを蔑ろにしない。脈々と受け継いでいく。より強固な新しい一歩につながっていくのではないかと、伝統菓子に触れる度に思うのです。
ボクはどちらかといえばボブディラン、DOORS。
いやー、スキルは高い。クラシックはなんぼでも輝くって証明してくれる!五感、特に聴覚とはWEB向きの発信ですね。味覚のそれの実現がままならない、むしろそうあって欲しくない。って正直思ってます(なんか意味不です)今回はこの辺で。なーんとなく言いたい事いえたのでスッキリ?ですかね

パートの仕込みは、極一般的なシュクレ、またはサブレ生地と同様です。今回はフードプロセッサーでオールインで作業しましたが、薄力と強力粉を半量づつブレンドしているので、グルテンの出過ぎには注意します。

コンフィの仕込みは、小布施のチェリーキッスと、佐藤錦をそれぞれ。煮詰めも別々に行わないと、果実の糖度にかなり開きがあるのでうまく固まらないであろう、そんな予測を立てての準備。
ガルニチュール(詰め物)としてなので、シロップとなる水分もペクチンでガッチリホールドしてあげないと焼成中の吹きこぼれに繋がりそうで恐ろしくて。

出来上がった2種のさくらんぼは、チェリーキッス6:4佐藤錦、ほどの割合で混ぜ混ぜ。
パートバスクは2cmほどの厚みに伸ばして、縁取り、被せと、ひとつのガトーに対して二枚準備します。
さくらんぼのコンフィの上に「てろん」と乗っているのはクレームパティシエール。つまりカスタードクリームです。
クリームにはラム酒を混ぜ込んでいます。焼成する事でコンフィと上手く混ざり合って、適度にとろみの出たコンフィの味わいに変化するのです。
ドリュール(塗り玉)を塗って、パートの上にローブリューを描いて焼成です。

バスクのシンボル、ローブリューについては以下の通り。

ローブリューの4つの羽は火、大地、空気、水を表しており、その4つが交わることは、"永遠""愛""平和"の象徴とされています。また、"Lau=4つ""Buru=頭"を意味し、バスク地方の4つの主要地域、サン・セバスティアン、ビルバオ、ビトリア、パンプロナを表しているとも言われています。

今回初めてのガトーバスクにチャレンジでした。
昨年秋にキャラメルと胡桃で「ガトーバスク」の名前を拝借しましたが、(どちらかといえばエンガディナー)地方の伝統菓子の派生も著しく、そもそもの起源になぞっていくと、その土地の特産を使ったものが多く、そして小布施のチェリーキッスを用いて新しい何かを模索していたことから発表に至った経緯をここにお伝えしておきます。

そして佐藤錦、7月10日現在、紅秀峰の大粒さくらんぼ。歯応えも良い果肉の引き締まったオススメの一品は、ちょっと大振りの特別タルトのシリーズでも提供中です!

そういえばバスクチーズも、ハード系チーズに変更を余儀なくされています。
コロナの影響で、ヨーロッパからの輸入にも多数制限が掛かっており、チーズも例外ではありません。画像のイディアバルは、正にバスク地方で作られている山羊チーズ。これも無くなり次第、マンツェゴというものに切り替わります。少しばかり濃厚なニュアンスが強く感じられるかとは思いますが、引き続きお楽しみいただければと思います!
コロナ禍の影響も多岐にわたり、恐ろしいまでの変革を余儀なくされてきた事と思います。
自分でも驚くくらい、ケーキに対するニーズというか、必然性が高まった事。いろんな自粛の中、わざわざ足をお運びいただき、「癒しとして」もその需要が高まった事。
今、自分の職責を強く感じています。どこまでもていねいに、お応え出来ることに対して余す事なくやり遂げていきたいです。
店先の庭の草花の剪定、潅水のため夕方は外にいる事も多いのですが、ご興味が有ってお声がけ頂く方とお花について、お話をやり取りさせてもらったり。ケーキ以外でもコミュニケーションを取れる。ってすごい事だと思います。商品もそうですが、お菓子を取り巻く空間においても癒しになれば。との想いも一層強くなるのです。
ただ、世間的にはいろんなフラストレーションが渦巻いているのも事実。
(だからこそボク自身は荒ぶること無かれ。の想いを強く描いているのだけれど)
特にBLACK LIVES MATTER
あ、ここから完全にお菓子の話は無くなりますので(汗)
90年代初頭、RAGE AGAINST THE MACHINE ってバンドが席巻して、彼らの曲のひとつ、KILLING IN THE NAME OF 。
この曲、権力に対しての強い反逆心みたいなのがあって、サビでは今回のこの事件を彷彿させるワードが並んでいて。
それよりも
「テメーの言うことなんかゼッテー聞かねー!!!」
当時の自分もそうでした。やり場のない怒りやフラストレーション、葛藤、それでも前に進もうと踠いていたのが俗に言う「オルタナ」ですねー。いや、懐かしいと言うか、今ってなんかガツガツしてないな。受け身だなー。なんかインダストリアルムーヴメントにどっぷりだなー。って。ちょっと愚痴混じりw
だけど、自分の好きなバンドが最初はこう、フラストレーションをぶちまける様な荒々しい部分や情緒的な側面が色濃く出ていたり。プレイテクニックではなくてエモーショナルな部分なのか。
それがこう、時間の経過と共に円熟していくと言うか、あれ?年取ったんか?あのハードなんどうした?みたいなのが薄れてきてて、インダストリアル寄り?なんて思っていたのに、最近それに妙に納得してしまうのーw
pearl jam世代としては、また違った意味合いでの混沌を隠に感じています。コツコツと積み重ねてきたモノを大切に、丁寧に、例えるとすればいろんな流行が堂々巡っています。それをどうモダンに昇華させていくか、其処に欠かせないのが今までの積み重ねを蔑ろにしない。脈々と受け継いでいく。より強固な新しい一歩につながっていくのではないかと、伝統菓子に触れる度に思うのです。
ボクはどちらかといえばボブディラン、DOORS。
いやー、スキルは高い。クラシックはなんぼでも輝くって証明してくれる!五感、特に聴覚とはWEB向きの発信ですね。味覚のそれの実現がままならない、むしろそうあって欲しくない。って正直思ってます(なんか意味不です)今回はこの辺で。なーんとなく言いたい事いえたのでスッキリ?ですかね
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